OpenMausBot とは?AIエージェントチームをデスクトップで動かすオープンソースツールの使い方
AIエージェントを1人で何人も抱える時代が来ました。OpenMausBot は Claude・Codex・Grok といった複数の AI エージェントを、まるでチャットアプリの連絡先のように管理できるオープンソースのデスクトップアプリです。Mac・Windows・Ubuntu に対応し、Apache 2.0 ライセンスで完全無料で利用できます。
GitHub で急上昇し 1,873 スターを獲得したこのプロジェクトは「Grok Bot のオープンソース版」として注目を集めています。本記事では OpenMausBot の概要・機能・インストール方法・活用例を日本語で詳しく解説します。
OpenMausBot とは何か?概要と特徴
OpenMausBot は、AI エージェントを「チャットアプリの連絡先」として扱うというコンセプトのデスクトップアプリです。
誕生した背景
Twitter/X が提供する Grok Bot(AIボットとチャットするサービス)のコンセプトを、オープンソースで・ローカルファーストで・自分のAPIキーで再現しようというモチベーションから生まれました。
既存の AI ツールとの最大の違いは、複数の AI エージェントをそれぞれ別個の「ボット」として管理できる点です。コーディング用に Claude、リサーチ用に Grok、ドキュメント作成用に別の Claude、という具合に用途別にエージェントを使い分けられます。
主な技術スタック
- フレームワーク: Electron(TypeScript + React 19)
- 対応 AI: Claude CLI・Codex CLI・Grok CLI
- バックエンド: ローカルハーネスサーバー(127.0.0.1:8799)
- 外部連携: Composio(500以上のアプリ)、Box API(クラウドPC)、ElevenLabs(音声)
OpenMausBot の主な機能
ボットごとのモデル選択
各ボットに異なるモデルを割り当てられます。Claude 3.5 Sonnet でコードレビューボット、Claude Opus でリサーチボット、Codex で実装ボット、という使い分けが可能です。モデルピッカーには利用可能なプロバイダーが一覧表示され、未設定のプロバイダーは dimmed で表示されるため、一目で状況が把握できます。
各ボットに専用クラウドPCを付与
Box API 連携により、各ボットに独立したクラウド Linux デスクトップを割り当てられます。ボットが作業している様子をリアルタイムプレビューで確認でき、「Open desktop」ボタンでブラウザから直接操作することも可能です。
パーミッションブローカーによる安全な操作
シェルコマンドの実行・ファイルの編集・外部 API の呼び出しなど、リスクのある操作はすべて Allow / Deny カードとしてチャット画面に表示されます。エンジニアが内容を確認してから承認する仕組みで、AIが勝手に重要ファイルを変更してしまうリスクを防ぎます。
Composio で 500+ アプリを連携
Gmail・Slack・GitHub・Notion・Linear など500以上のサービスを OAuth 一度の設定で接続できます。連携後は各ボットがこれらのサービスをツールとして利用できるようになります。
音声通話モード
ElevenLabs API キーを設定すると、ボットの返答を音声で読み上げる機能が使えます。「Call」ボタンを押せば、ボットと通話形式で対話することも可能です(現在は macOS のみ)。
OpenMausBot のインストール方法
リリース版(推奨)
公式リリースページからプラットフォームに合ったファイルをダウンロードします。
| プラットフォーム | ダウンロード | インストール方法 |
|---|---|---|
| macOS(Apple Silicon) | .dmg ファイル | Applications フォルダにドラッグ |
| macOS(Intel) | -intel.dmg ファイル | 同上 |
| Windows(x64) | -setup.exe ファイル | インストーラー実行(SmartScreen警告は「詳細→実行」) |
| Ubuntu 24.04(x64) | .deb または .AppImage | APT でインストール(ベータ版) |
ソースからビルドする場合
git clone https://github.com/milind-soni/OpenMausBot && cd OpenMausBot
pnpm install
pnpm dev:server # ハーネスサーバー → 127.0.0.1:8799
pnpm dev # アプリ → http://127.0.0.1:5199
pnpm dev:desktop # Electron シェル(上2つも起動した状態で実行)
必要要件: macOS / Windows / Ubuntu 24.04 x64、Node.js 24 以上、pnpm、および以下のいずれか1つ以上の AI CLI
claude(Claude Code)codex(OpenAI Codex CLI)grok(xAI Grok CLI)
こんな人に向いている
AIツールを複数使い分けているエンジニア
フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアで、Claude Code や Codex を日常的に使っている方に最適です。「コーディング用・ドキュメント用・調査用」と用途別にボットを使い分けることで、コンテキストの切り替えコストを削減できます。
MLエンジニアの場合は、モデルの評価・データ前処理スクリプト作成・論文サマリー生成といった複数のタスクを、それぞれ専門性を持たせたボットに分担させる使い方が効果的です。
スタートアップの CTO には、GitHub・Linear・Notion を連携したプロジェクト管理ボットを設定し、朝のスタンドア��プ用のサマリー生成を自動化するという活用法がおすすめです。
Grok Bot・Claude Code との違い:なぜ今 OpenMausBot か
Grok Bot との比較
Grok Bot は xAI が提供する有料サービスで、OpenMausBot はそのコンセプトをオープンソースで再現したものです。最大の差は使用するモデルを自分で選べる点です。Grok Bot は Grok モデルのみですが、OpenMausBot は Claude・Codex・Grok を自由に混在させられます。
Claude Code との比較
Claude Code はターミナルベースで単一エージェント中心ですが、OpenMausBot はチャット UI で複数エージェントを同時管理します。Claude Code を「エンジン」として OpenMausBot から呼び出す使い方が想定されており、競合ではなく補完関係にあります。
今注目される理由
2026年のAIエージェント元年と呼ばれる今、「単一AIアシスタントから複数AIチームへ」という流れが加速しています。OpenMausBot はその流れに先駆けて、すでに動作するプロダクトを提供している点で注目されています。
使う前に知っておきたいこと
ライセンスと商用利用
Apache License 2.0 で公開されており、商用利用・改変・再配布が可能です。ただし、同梱される Cua Driver コンポーネントは MIT・MPL-2.0 など別ライセンスが適用されるため、商用利用前に third_party/cua-driver/ 内のライセンスを確認してください。
プラットフォーム制限
- Windows: インストーラーは現時点でコード署名なし。SmartScreen の警告は「More info → Run anyway」で回避可能
- Ubuntu Wayland: ボットによるホストPC操作機能は無効(Issue #345 解決待ち)。Chat・プレビュー・クラウドVMは利用可能
- 音声通話モード: macOS のみ対応(Windows・Linux は今後対応予定)
必要なサブスクリプション
OpenMausBot 自体は無料ですが、以下の外部サービスは別途サブスクリプションが必要です:
- Claude CLI(Anthropic のサブスクリプション)
- Codex CLI(OpenAI のサブスクリプション)
- Box API(クラウドPC機能):無料トライアルあり、以降有料
- ElevenLabs(音声機能):無料プランあり
まとめ
OpenMausBot は、AIエージェントを「チームとして使う」という新しいパラダイムを手軽に体験できるオープンソースツールです。Claude Code や Codex を既に使っているエンジニアであれば、追加コストゼロでインストールできます。
v0.1 段階で荒削りな部分(Windows 署名なし、Ubuntu Wayland 制限など)はありますが、MCP サーバー対応・ウェブフックトリガー・チャンネル管理など実用的な機能が揃い始めており、今後の発展が期待されます。
GitHub で OSS に貢献したい方には、ドライバーの追加が1ファイルで済む設計になっているため、貢献のしやすさも魅力の一つです。
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