DigUpとは?EmbeddingGemma 2でローカルファイルをAI意味検索できる無料ツール
「あの犬の写真、どこに保存したっけ?」「契約書のペット条項はどのファイルに?」——ファイル名や保存場所を覚えていなくても、内容を言葉で説明するだけで見つけられる時代が来ました。
DigUpは、Google DeepMindが2026年10月に公開したEmbeddingGemma 2を活用し、写真・PDF・動画・音声ファイルを自然言語で横断検索できるローカルAIファイル検索ツールです。すべての処理がデバイス上で完結するため、クラウドへのデータ送信はゼロ。アカウント登録も不要で、プライバシーを守りながら100言語以上に対応した意味検索が使えます。
GitHubスター数は4,300(2026年10月時点)で、macOS版が成熟段階、Windows・Linuxはベータ公開されたばかりです。
DigUpとは?EmbeddingGemma 2を使ったAIファイル検索の仕組み
EmbeddingGemma 2とは
EmbeddingGemma 2はGoogle DeepMindが2026年10月にリリースした、テキスト・画像・音声・動画を単一のベクトル空間に変換できるマルチモーダル埋め込みモデルです。パラメータ数は740Mと比較的小さく、ラップトップ上での動作が可能です(Apache 2.0ライセンス)。
このモデルの特徴は「モダリティをまたいだ意味的一致」。「浜辺の犬」というテキストの埋め込みが、実際に浜辺で犬が写っている写真の埋め込みと近くなる——つまり、説明文で画像が探せる仕組みです。
DigUpの検索の仕組み
DigUpは指定したフォルダ内のすべてのファイルをEmbeddingGemma 2でインデックス化します。
- 画像・スクリーンショット: 何が写っているかをベクトル化(Macではテキストも)
- PDF・ドキュメント: ページ単位でテキストをベクトル化、スキャン済みPDFも対応
- 音声・ポッドキャスト: 30秒ウィンドウで内容をベクトル化し、該当分を特定
- 動画: 数秒ごとのフレームと音声トラックを処理
検索時は入力したキーワード・文章もベクトル化し、最も意味的に近いファイルを返します。キーワード完全一致も並行して行うため、請求書番号やエラーコードなどの固有の文字列検索も有効です。
DigUp 使い方 セマンティック検索:インストールから検索まで
macOSへのインストール(Apple Silicon必須、macOS 14以降)
brew install --cask arahim3/tap/digup
またはGitHub Releasesから .dmg をダウンロードしてApplicationsフォルダへドラッグ。
Windows 10/11(64bit)へのインストール
GitHub Releasesから DigUp_x.y.z_x64-setup.exe をダウンロードして実行します。現時点では署名未取得のため、Windowsのセキュリティ警告が出ます。「詳細情報」→「実行」を選択してください。
Linuxへのインストール
# Ubuntu/Debian/Mint
sudo apt install ./DigUp_x.y.z_amd64.deb
# その他のディストリビューション:AppImageを使用
chmod +x DigUp_x.y.z_amd64.AppImage
./DigUp_x.y.z_amd64.AppImage
初期設定と検索の開始
- DigUpを起動。初回起動時にモデル(865MB)をダウンロード
- 検索したいフォルダを選択(サブフォルダも選択可能)
- インデックス作成時間の目安が表示される(マシンスペックにより異なる)
- インデックス完了後、⇧⌘Space(Mac)または Ctrl+Shift+Space(Windows/Linux)で検索パネルを呼び出す
- 説明文を入力して検索
検索例:
"ビーチの犬" → 該当写真が見つかる
"睡眠について話しているところ" → ポッドキャストの該当分にジャンプ
"ペット条項" → PDF契約書の該当ページを表示
AIファイル検索 無料 ローカル 日本語対応:DigUpの主なユースケース
フォトグラファー・写真愛好家のケース
撮影した大量の写真の中から、ファイル名ではなく撮影シーンの記憶で検索できます。「夕暮れの橋」「赤いドレスの女性」「工事現場のクレーン」など、自然言語で即座に目的のカットにたどり着けます。100言語対応なので、日本語でも英語でも同じ写真が見つかります。
リサーチャー・ライター・法務担当者のケース
大量のPDF・Word文書を抱える知識労働者にとって、「あのレポートにあった段落」「この契約書の免責事項はどこ?」という曖昧な記憶からファイルを特定する作業が劇的に改善します。PDFは該当ページ、音声・動画ファイルは該当秒数まで直接ジャンプする機能が特に便利です。
エンジニア・開発者のケース
コード検索機能(オプション)を有効にすれば、「バックオフ付きリトライ処理のコード」「APIのエラーハンドリング実装」などの説明で過去プロジェクトのコード断片を探せます。
なぜ今このツールか:Spotlight・Windows Searchとの違い
既存のファイル検索との差別化
| 比較項目 | macOS Spotlight | Windows Search | DigUp |
|---|---|---|---|
| 検索方式 | キーワード・メタデータ | キーワード・メタデータ | 意味的(セマンティック) |
| 画像内容での検索 | △(Appleの画像認識のみ) | × | ○(EmbeddingGemma 2) |
| 音声内容での検索 | × | × | ○(30秒ウィンドウ) |
| 多言語横断検索 | △ | △ | ○(100言語以上) |
| プライバシー | ローカル | ローカル | 完全ローカル |
| クラウドAI利用 | iCloud連携あり | Microsoft連携あり | なし |
DigUpの最大の差別化は「マルチモーダル意味検索」と「完全ローカル動作」の組み合わせです。Appleの写真ライブラリ検索よりも対象ファイル形式が広く、Windowsの検索よりも意味理解が深い点が特徴です。
こんな人に向いている:職種別・業種別の活用シナリオ
フォトグラファー・映像ディレクター
撮り溜めた数万枚の写真・映像クリップをタイトルや日付ではなく「何が写っているか」で整理・検索する用途に最適です。撮影現場の記憶が薄れた数年前の素材も、「海辺でジャンプしている子ども」「夜景のビル群」のような描写で即座に特定できます。
研究者・アカデミア・学術ライター
論文・書籍・講義録音などの大量ドキュメントを管理する研究者にとって、「あの著者が◯◯について論じていた論文」「セミナーで◯◯の話が出た箇所」を言葉で検索できる機能は革命的です。PDFスキャン(OCRなし)にも対応しているため、旧い資料の検索も可能です。
スタートアップ・ソロワーカー・フリーランス
クライアント別のPDF・見積書・契約書を毎回フォルダを掘り下げて探す手間を大幅に削減できます。「◯◯社との契約」「キャンセルポリシーについて」などの説明文で対象文書にすぐアクセスできます。
使う前に知っておきたいこと:制限・注意点・既知の問題
プラットフォーム要件
- Mac: Apple Silicon(M1以降)必須。Intel Macは非対応。macOS 14以降
- Windows/Linux: x86_64のみ対応(ARMは非対応)。Windows版は現在インストーラーが未署名
- GPU活用: GPU(グラフィックカード)があれば自動で使用し、高速化が期待できる
既知の問題(GitHubのIssueより)
- 長時間使用でメモリ消費が増大する問題が報告されています(8件のコメントあり)
- バッテリードレインが発生するとの報告があります(Mac)
- フォルダ選択後にインデックスが0件になるケースがある
- 大量のファイルを持つフォルダは初回インデックス作成に時間がかかります(865MBモデルのダウンロード + 全ファイル処理)
ライセンスとプライバシー
MIT ライセンスで個人・商用利用ともに無料。アップデート確認のみ1日1回ネットワークにアクセスしますが、ファイル内容は一切送信されません(オフにも可能)。
まとめ:ローカルAI意味検索の到来
DigUpは、EmbeddingGemma 2という2026年10月に登場した最新マルチモーダルAIをローカルに持ち込み、「ファイル名を覚えていなくても内容で検索できる」体験を実現しました。フォトグラファー・研究者・知識労働者にとって、デジタルファイルの管理に革命をもたらす可能性を秘めたツールです。
macOSではHomebrew一発でインストールでき、完成度も十分。Windows・Linuxのベータ版も活発に開発されています。ぜひ試してみてください。
関連ツール・おすすめサービス
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